― ぶち猫さんと、おばあちゃんの物語 ―
おばあちゃんと、ぶち猫さん。
いつも同じ場所で、同じ時間を過ごしていたふたり。
縁側。
足元。
何気ない日常。
でも――
その日は、静かにやってきました。
引っ越しの支度。
止まったままの車。
空の猫ゲージ。
おばあちゃんは、
いつものように縁側をのぞきます。
「ここにいるはず」
そう思って。
でも、ぶちさんはいない。
このお話は、
「さよなら」の仕方を探す物語です。
置いていくこと。
連れていかないこと。
そして、選ばなかったやさしさ。
ぶちさんの心の声は、
とても静かでした。
ぼくは…ついていけない。
それは、拒否でも、わがままでもなく、
自分で決めた“最後の場所”の話。
この物語は、
泣かせるためのものではありません。
見てくれた人それぞれの
大切な記憶に、そっと触れるためのお話です。
最後まで見届けてください。
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